【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(3日目後編)

まだまだ3日目。長丁場です。

沖ノ島

11時ちょっと前。海上自衛隊の館山航空基地入口前を通過して、沖ノ島の前までやってきました。例によってスタンプ取得目的で。

歩いて行けるんだけどね

沖ノ島は陸繋島なので本州と砂浜で繋がっており、徒歩で渡れます。しかし砂浜を渡らなくてもこっちでスタンプ取得できてしまったし、夏の小旅行(夫と同伴)で既に島内も見ているので、今回は手っ取り早くこの場で退散。

沖ノ島前から大房岬を見る

その前に館山湾の向こうの大房岬を撮っておきました。なんとなく坂地獄っぽさが分かるような分からないような。

おまけ セブンイレブン館山自衛隊前店の自衛隊コラボグッズ(23/08/01撮影)

赤山地下壕跡の近くまで戻ってから県道257号へ。青い空と海を見ながら、坂を上り下りして進んでいきます。洲埼灯台を目指していますが、その前に…。

そうだ。井戸、井戸を探さないと。

世界と世界のあいだの井戸

地味な場所ですがバス停があるのですぐに見つかりました。矢尻の井戸です。

バス停名にもなっている矢尻の井戸

夜中に鋸南町竜島の源頼朝上陸地を見てきたばかりですが、なんとこの館山市洲崎を上陸地とする説もあるのです。「吾妻鏡」が竜島説、「義経記」「源平盛衰記」が洲崎説だそうです。

歴史考察的には竜島説のほうが信憑性が高いらしく、県指定史跡にもなっているわけですが、やはり館山市民の間では根強く洲崎説を支持する声があるのでしょう。井戸付近には石碑がいろいろあって碑文からもその様子が伺えましたし、建碑時の館山市長の名前まで堂々と載っているものもありました。

これは商工会議所の碑 他にも二つぐらい石碑がありました

義経記」によれば、洲崎に上陸した頼朝が水を求めて矢尻を地に刺したところ、そこから水が湧き出したとのこと。

やがてそれが井戸になり、こうして今もここに残っている…ということでしょうか。

いやはや。そっちが本当なら、頼朝からありがたく苗字を授かったという竜島の人々の言い伝えなどは消えてしまいそうですね。私は一体どちらを信じればいいのでしょうか。

そうだ。頼朝が竜島に上陸した世界と並行して、洲崎に上陸した世界線も別に存在したらいいんだ。その二つは本来なら決して交わることはないけれど、惑星直列とかそういった途方もない出来事の時だけつながるというのはどうだろう?あっちの世界の鋸南町の男子高生とこっちの世界の館山市の女子高生が、そうやって出会えばいいんだよ。

うん。

そのように思いました。

Byston WellではなくArrowhead Wellだった

洲埼灯台

房総半島最西端

矢尻の井戸で素人が大雑把に適当な空気を味わった後の洲埼灯台です。ここから外房のはじまり。東京湾に別れを告げて太平洋へ。

この近くの養老寺も南総里見八犬伝の舞台だったりするのですが、時間も押してきているのでとりあえず先を急ぎます。

先を急ぐ…というか。館山市内でもう一ヶ所、私なりの目的で風変わりなスポットに行ってみたいと強く思って、ペダルを踏んでおりました。坂井の砂山です。

砂山

新潟市西区の坂井砂山じゃありませんよ。館山市坂井の砂山です。

館山砂丘とも呼ばれており、適当に地図を見ると県道257号(房総フラワーライン)で近くまで行ってからゴルフ場の間の道を通ればいいかなと思ってしまいそうですが、その道はゴルフ客以外は通行禁止。県道257号で西側から行く場合は平砂浦ビーチホテル入口より少し手前のY字路を左折してやや狭い道を進んでいく必要があります(Y字路前に「砂山」と書かれた小さな方向標識有り)。

青い空の下に

これが砂山です。海から1kmほど離れた場所に、突然の砂地。海岸の砂浜から風で飛んできた砂がここだけ大量に集まって砂山になったと言われておりますが…って、そんなことあるんでしょうか!?

横位置で念押し

確かに風は強い場所だけど、他にも似たような広い砂溜まりが周辺に無いというのが不思議です。長い年月により海岸線は自然現象で変化しているので、昔はもうちょっとこの辺りまで海岸に近い砂浜だったのではないかと思って館山市立博物館のサイトでこんな記事を見つけたりしましたが…、どうやら館山中心部の地域の話のようですね。しかし地震などで砂浜が陸のほうに後退していく現象もあるということが分かりました。

さて、なぜここに来たのかというと。私は東京の区立小学校に通っていましたが、小6の移動教室(修学旅行)が房総半島でした。その時にここに来たことがあったのです。

小さい子供なら大喜びするような場所ですが、高学年的にはどうなのか。小6でも元気のいい男子なら連れてきた大人の期待に応えて頑張って遊ぶのでしょうが(実際そうでした)、当然の如く女子受けはしておりませんでした。私も困ってしまったけれど、それでも見ているぶんには面白かったという記憶があります。

その後砂山のことはすっかり忘れて大人になってしまいましたが、ロードバイクに乗るようになって何度も館山市に来るようになると、うっすらと「そういえば、館山と言えば砂山だよなあ…」と、思い出してくるようになってしまいました。

しかし行ってもどうせ写真を1、2枚撮って終わりだろうし、事故に遭わないよう緊張感を持ってひたすら長時間走るだけのロングライド中に気を緩めてふらっとおかしな場所に立ち寄るのはなんとなく危険という気がしてしまい、訪れるのが延び延びになっておりました。

というわけで。こんなに遅くなってしまいましたが、ようやくの再来。年月と共に砂の量が減ってしまっているらしく、寂しいなと思いつつもそれなりに見栄えのするうちに来れたのは幸いです。

お別れです

実はどんどん進んで奥へ行くとこちらよりも広い砂丘へと続いていて、「そっちが本物」という感じだと思いますが、だいぶ疲れてしまっていたので砂まみれになる覚悟はできず断念。でも来て良かったと思います。いい思い出になりました。

別れ際に影を写した

野島埼灯台へ

砂山では思い描いていたような時間が止まったような不思議な感覚を、本当に味わうことができました。もういいだろうと思って再度海沿いの県道257号に出て、またちまちまとスタンプスポットを巡回しながら進み、市境を越えてまた南房総市へ。

が、この辺りから体力的にボロボロです。時刻はだいたい14時頃でしたが、昨日の19時に出発してから寝ていないので流石に疲れが溜まってしまっています。そして坂あり向かい風ありで本当にノロノロとしか走れなくなってしまいました。これは悲惨。せめて15時までには野島埼灯台に着きたいと思っていたのですが全然進んでくれません。

途中セブンイレブンに寄って買い物してから駐車場の裏で少し休憩して、野島埼灯台のある白浜野島崎園地に着いたのが15時半頃でした。

房総半島最南端の碑と野島埼灯台

本当は公園前の海鮮料理店に行きたかったのだけれど、あまりに疲れてしまったのでお店で食事を取ると眠くなってしまって予約した宿まで走れなくなってしまう可能性大なので断念。セブンでお弁当を買ったので宿で食べることにします。園内ではGOGO房総のスタンプ取得して写真を1枚だけ撮って退散しました。

やっと宿泊

素泊まり3500円也

5~6km東へ走ってようやく本日の宿に到着。千倉町白間津の「遊房(あそぼう)」です。頑張って荷物をまとめてセルフチェックインできたのが16時半でした。

ここは壁が薄いので他にグループ客が居たりすると残念ながらうるさくて眠れないそうですが、今日は閑散期の平日ということで実に静か。よく眠れそうです。

日没

3日目は121.9km走りました。やるじゃん。ミニベロでも粘ればこれだけロングライドできるんだと嬉しくなりました。まあ3日目といいつつ日付的には2日目の夜19時からなんですがね。

お休みなさい

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(プロローグ)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(1日目)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(2日目)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(3日目前編)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(3日目中編)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(3日目後編)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(4日目)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(5日目)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(6日目)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(7日目)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(エピローグ)