【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(3日目中編)

3日目の続きです。南房総市の岩井までやってきました。

岩井

南房総市館山市の合併に失敗した経緯があり、その結果として館山市を抱き込んだような曰く有り気な形をしていますが、まずはその中の北西部、同市内ではさほど広くない内房部分に来ました。

岩井はその北西部内の北部にあります。以前は地名としても岩井町だったのが合併により消え、駅名はそのまま残っているという状態。

岩井駅

内房線の小さい駅は青っぽい瓦屋根の古い駅舎が多いけど岩井駅は違います。近くにある標高349mの富山(とみさん)の二つ峰をイメージしたそうで、夜なので写真では伝わりませんが屋根の色は赤系(南房総市なのに館山っぽい)。

岩井駅が富山を推しているのはそこが「南総里見八犬伝」の舞台となっていることも大きいのでしょう。忘れている人も多そうなので記しておきますが、曲亭(滝沢)馬琴が日本の職業作家の走りで代表作が南総里見八犬伝であることは中学校の日本史教科書にも載っておりました。そして作中の序盤で主人公八犬士たちの精神的な母となる伏姫が妖犬八房と共に閉じ籠った重要ポイントが富山なのです。

というわけで、駅近くの伏姫公園で伏姫と八房の銅像がお出迎え。

伏姫公園

伏姫と八房像

富山のハイキングコースを登っていくと物語の最後に主人公たちが仙人になって籠ったという「八犬士終焉の地」があるそうですが、流石に今回そこまでは行けません。「伏姫籠穴」のほうがもうちょっと近くて行きやすい場所にあるし題材的にも分かりやすいので行ってみようと思います(というかそこもスタンプスポットでした)。

モナーの聖地 伏姫籠穴

伏姫籠穴の入口には門があり、駐車場もあるのでそこまでは当然自転車で走って行けるだろうと思い行ってみましたが、狭い小道でした。特に急坂でもなくてそこは良かったけれど路面があちこち傷んでいる上に落ち葉や木切れが多くて走りにくく、小さな橋の周りも霜で濡れていて滑らないように注意する必要があり、なかなかのスリリング感。夜中ですからね。しかし向かっている先が異類婚姻譚の臥所ですから結構雰囲気が出ています(まあ昼間だったら特に怖いことはないと思います)。

入口の門

屋根のあるわりと立派な門を潜るとそこからは階段です。照明なんてないので自転車のライトを懐中電灯代わりにしてゆっくりと慎重に登っていくと、小さな横穴があり、そこが伏姫籠穴でした。

これが…

伏姫籠穴!

八つの珠 あれ?最後に仏像の眼になったはずでは…

さて。「南総里見八犬伝」は江戸に住んでいて安房国に一度も行ったことがない馬琴が書いたフィクションです。一体この伏姫籠穴はいつ頃出来たのでしょう?というわけで解説文を読んでみました。

解説

伏姫籠穴はいつ、だれの手により、掘られたものなのか……?

それは今なお、謎のままである。

伏姫籠穴の【籠穴】という言葉は、多くの文献により、【籠窟】【岩窟】【祠】【洞窟】など、さまざまな言い方がなされていることはおもしろい。

更に不思議なことは、伏姫も八房も文学の中に登場する架空の主人公であるはずであるが、現実にこうして伏姫籠穴が我々の眼前に存在する事実を、私達はどのように理解すればよいのか、まことに神秘的であり幻想的と言えよう。

物語に書かれた空想の世界と、現実との狭間に立つとき、伏姫籠穴は私達に何を語りかけようとしているのだろうか……。

いつ出来たのか分からないそうです。えっ?そうなの?推定すら無し?凄いなあ!…ま、まあ、創作から生まれた二次創作だと思えばいいのではないでしょうか。うん。

伏姫が観光客に語り掛けるメッセージもあったりする

階段の周りのあちこちでツワブキが黄色い花を咲かせていた

私としては伏姫籠穴も岩谷観音堂やぐら群と同じく真夜中に行ったのが雰囲気的に正解だったなと思ってしまいましたが、さてその後に岡本桟橋まで行ったら日が昇ってきていました。

名所なのにショボい写真で申し訳ない岡本桟橋

私の写真では全く上手く撮れていませんが、レトロな木造の長い桟橋で映えスポット扱いです。地元のお年寄りが散歩していてちょっと羨ましいなと思ったりしました。

そしてその後は…。

絶望の大房岬

例によってGOGO房総のスタンプ目当てで大房(たいぶさ)岬自然公園に行ったのですが、結論から言ってしまうと悲惨でした。

やだ、やめて…

坂が酷過ぎます。東京湾観音の坂の100倍酷いと思いました。いや、いくら平坦な千葉県でも短い坂なら急坂や激坂が探せばあちこちにあるというのは分かっているのですが、この坂のことは全く知らなかったのでびっくり。漕いで登れたのは1/3ぐらいでしょうか、そこからは己の浅学さを恨みつつ押し歩きしました。それでも結構疲れてしまった…。

案内地図

冨浦湾を見下ろす

解説

なんとか公園入口まで行ってスタンプ取得、そして海を見下した写真を撮るとUターンして下り坂を逃げるように退散しましたが、もうちょっと行ってれば展望台があるんですね。戦争遺跡もあるらしい。またいつか、ミニベロではなくロードバイクで来て、その時は頑張って元気よく登りたいなと思いましたが今回は絶対無理なので退散!

ようこそ館山

大房岬を脱出して館山市へ。私がロードバイクで初めて200km走った時の折り返し地点が館山でした。だから県道302号の市境にある「ようこそ館山市へ」の看板を見るとその時のことを思い出して今でも懐かしくなったりします。

館山市をちまちまとスタンプスポット巡回しつつ南下していきます。

鶴谷八幡宮

渚の駅たてやま

渚の駅たてやまでは海のマルシェ以外の施設が休業中で、水槽などの展示物が見られなくて残念。お弁当を買ってテラスで食べました。

館山城八犬伝博物館 月曜なので休館日

館山海軍航空隊赤山地下壕跡 安全確認のためお休み中

休壕…?初めて目にした専門用語だ

昼間来てもお休み中が多いのは残念ですが、こういうのを全部見ていたら一ヶ月あっても千葉県一周できないと思います。先を急ぎましょう。

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(プロローグ)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(1日目)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(2日目)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(3日目前編)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(3日目中編)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(3日目後編)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(4日目)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(5日目)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(6日目)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(7日目)

【ライド記録】ミニベロゆっくりチバイチ(エピローグ)